人間に最もありふれた寄生虫 回虫

2015-12-15_230900

回虫は、ヒトをはじめ多くの哺乳類の、主として小腸に寄生する寄生虫である。

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ヒトに最もありふれた寄生虫であり世界で約十億人が感染している。

雌雄異体であり、雄は全長15~30cm、雌は20~35cmと、雌の方が大きい。

視細胞などの感覚器はなく、体の先端に口と肛門があるだけで、体幹を腸が貫通する。生殖器は発達し、虫体の大部分を占める。成熟した雌は1日10万個から25万個もの卵を産む。

最大25万個の回虫卵は小腸内で産み落とされるが、そのまま孵化する事はなく、糞便と共に体外へ排出される。

排出された卵は、気温が15℃くらいなら1か月程度で成熟卵になり、経口感染によって口から胃に入る。

虫卵に汚染された食物を食べたり、卵の付いた指が感染源となる場合が多い。

卵殻が胃液で溶けると、外に出た子虫は小腸に移動する。しかしそこで成虫になるのではなく、腸壁を食い破って体腔内へ出たり、或いは血管に侵入して、肝臓を経由して肺に達する。この頃には1mmくらいに成長している。

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数日以内に子虫は気管支を上がって口から飲み込まれて再び小腸へ戻り、成虫になる。子虫から成虫になるまでの期間は3か月余りであり、寿命は2年から4年である。

回虫による障害は多岐にわたり、摂取した栄養分を奪われる、毒素を分泌して体調を悪化させる、他の器官・組織に侵入し、鋭い頭で穿孔や破壊を起こす、等である。

1匹や2匹程度の寄生であればほとんど問題はなく、肝機能が強ければ毒素を分解してしまうが、数十匹、数百匹も寄生すると激しい障害が起こる。

幼少期なら栄養障害を起こし、発育が遅れる。毒素により腹痛・頭痛・めまい・失神・嘔吐・けいれんといった症状が出る。

多数の回虫が塊になって腸閉塞を起こす事もあり、脳に迷入しててんかんのような発作を起こす例もある。

かつての日本では、人糞尿を肥料に用いて栽培した野菜類を漬け物などとして生食いしていたことなどが原因となって、回虫の寄生率は著しく高かった。

しかし、徹底した駆虫対策と衛生施設・衛生観念の普及によって寄生率は急速に減少、20世紀末には実に0.2%から0.02%にまで下り、世界で最も駆虫に成功した例となった。

ただし、同じ頃に広まった自然食ブームによって下肥を用いた野菜が流通するようになり、また発展途上国からの輸入野菜類の増加に伴い、回虫寄生の増加が懸念される。

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信じるか信じないかは貴方次第。

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