童謡『いとまきのうた』の秘密

2015-12-04_114742

保育園や幼稚園でかならず歌われるといっていい童謡に「いとまきのうた」がある。

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明るくリズミカルで覚えやすい曲調は、昔も今も人気の童謡だ。しかしこの童謡、歌い進めていくうちにどんどん不条理になっていく、なんとも不思議な歌なのだ。

不条理な世界

いとまきのうたは、軽快なリズムと繰り返しのサビの部分の歌詞ばかりが記憶に残り、聞いても忘れてしまう部分がある。それが「誰のために何を編んでるのか」ということだ。

実はこの歌、いとまきをしているのは1番だけで、2番3番はまったく別の行動をしているのだ。

1番でいとまきをしながら作っているのは「こびとのくつ」だ。そして主人公が作った「くつ」をこびとに届けるところで歌は終了する。

そして2番。次に主人公はこびとのために食事を作っている。そう、タイトルにもなっている「いとまき」は1番だけで終了なのだ。2番も1番と同じように食事をこびとに届けるところで終了する。

作品が不条理さを増す3番。いままでこびとに尽くしてきた主人公は、次に意外な行動をとる。なんとこびとのために落とし穴を作りはじめるのだ。落とし穴は、熊を落とすために掘るのだが、結局熊は逃げて3番は終わる。

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最後に4番。主人公はこびとのためにスープを煮ている。しかし、ローソクの火は次第に弱まり、ついには消え、こびとは夢の国へと行ってしまう。

こびとのスープはできたのに、灯りは消えて真っ暗。せっかく靴を作り、麦を育て、パンを焼き、スープを作っても、こびとのおうちは夢の国。

「一緒にスープを飲んだ」なら、童謡として温かいハッピーエンドなのだが、最後の最後で実体を煙のように消してしまう、この終わり方。実に不条理な童謡だと言うしかない。

それでも暖かき世界

この作品の持ち味は、テンポの良い歌詞とメロディーにつきるだろう。

しかし歌詞はどんどん理不尽な世界に進み、最後はどこか物悲しい終わり方をする。それでも全体的な雰囲気はとても暖かい。主人公はこびとに手作りの服を与え、そして食事を与え、熊から守り、寝顔を見ながら終わる。

ここでお気づきの方もいるだろう。こびととは子供、そしていとまきをする者は母親なのではないだろうか?もし母の優しさが歌詞に秘められているとすれば、歌全体を包む暖かい世界観も納得するだろう。

~アニメ「忍者ハットリくん」の作詞もしていた~

「いとまきのうた」の作者は香山美子さん。1928年生まれの児童文学作家

・絵本作家・詩人である。

童謡には他に「げんこつやまのたぬきさん」が有名。著書には、童話『宇宙バス』(国土社)『プラスチックの木』(国土社)『事件のはじめはネコが三びき』(金の星社)、絵本には『どうぞのいす』(ひさかたチャイルド)『ごろりん ごろんごろろろろ』(ひさかたチャイルド)などがある。

テレビ番組のアニメなどの作詞も手がけ「忍者ハットリくん」も彼女の作。

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信じるか信じないかは貴方次第。

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