猫の集会

2016-01-04_114532

高校生になったばかりのAは苛立っていた。Aの家庭は現在にあっては珍しい大家族であり、兄弟が6人も存在する大所帯で、毎日ストレスを感じていた。

スポンサード リンク

そんな時、Aはよく近所の空き地の土管に腰掛けて星を眺めるのであった。

その夜もAは家を飛び出して、その空き地へと向かった。星でも見てすっきりしようと考えていたのだが、そこには先客が存在した。沢山の猫たちである。

Aが「あ!」と声を出すと、猫達は一斉にAを見て威嚇したのだという。普段は大人しい猫から子猫まで一斉にである。

普段なら恐ろしいのかもしれないが、Aも気が立っている。

スポンサード リンク

「なんだこのくそ猫野郎共が!」と猫の集団に向けて駆け出し、大暴れした。散り散りになる猫たちはそれでも威嚇をやめる事はない。

何だかここに至って不気味に感じたAは、その場を走り去ってしまった。背後からは猫の声がずっと聞こえていた。

帰宅してすぐ、Aは布団に潜り込むと寝てしまった。

翌朝、学校に行く為にAが玄関を出ると、思わず後ずさった。そこには昨日見た猫たちが何匹も居座っていたからである。一匹たりとも声を上げず、じっとAを見つめていた。

気味が悪く感じたAは、追い払おうとしたが、猫たちは退かない。仕方なく猫を避ける様に家を出た。

やたらと視線を感じ、振り向くと、いつでも猫がこちらを見ている。学校にいても、部活をしいていても、どこかに必ず猫が紛れ込んでいた。

そんな日々が続いて、さすがに罪悪感が生まれたAは、ある夜、その空き地にミルクを持ってお詫びに出向いた。

そこには数匹の猫がいたが、彼が餌とミルクを差し出して「ごめんな」と呟くと、「ニャア」と猫たちは鳴いて一斉に擦り寄ってきたという。

以来Aは、猫たちと一緒に星を見るようになった。

スポンサード リンク

信じるか信じないかは貴方次第。

コメントは受け付けていません。

サブコンテンツ

このページの先頭へ